映画『キック・アス』の中で、コミックブック初心者のヒロインの女の子ケイティが、字幕によれば「スコット・ピルグリムと少女漫画を読んでみたけど」というシーンがあった。
その時、「少女漫画」が英語でも「sho-jo ・・・」というふうに聞こえるんです。
そこでネットでいろいろ調べてみると、「Scott Pilgrim and Shojo Beat」と言ってるらしい。
Shojo Beatというのは、集英社と小学館がJVで作ったアメリカの会社VIZ MANGA社がアメリカで発行していた漫画雑誌。
「Shojo Beat(ショウジョ・ビート)はVIZ Mediaが北米で発行していた月刊少女漫画誌。2005年6月に創刊され、それまで英語圏に存在しなかった少女漫画市場の開拓に寄与したが、2009年6月に発売された7月号で休刊となった。」(ウィキペディアより)。
『キック・アス』の全米公開は2010年4月16日なので、公開時には既にShojo Beatは休刊してたんですね。
単なるヒーロー映画でなく、こういうマニアックな情報(作中にはガンオタク垂涎の銃コレクションも登場)が、復讐譚や少年の成長などの普遍的なテーマとともに描かれているところが、この映画のヒットした秘密の1つなのではないだろうか。
ちなみに、Wikipediaによれば、Shōjo mangaも英語になっているようです。(ここ参照)
ウィキペディアによれば、この映画に「ロジャー・エバートは4つ星満点で1つ星を与え、本作が「道徳的にふとどきである」と批判した」そうだ。(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%82%B9_(%E6%98%A0%E7%94%BB))
道徳的にふとどき、とは、morally reprehensible。
引用元のエバートの記事を読んでみると、11歳の少女が人を無情に撃ち殺すところが気に入らない、ようである。
例えば、音楽も引用されていた『夕日のガンマン』なんかも無情に人を撃ち殺す主人公が、最後に死体を荷馬車に山積みにして去っていくわけだが、エバートは夕日のガンマンも星ひとつなのだろうか。それとも子供の場合だけ「morally reprehensible」なのだろうか。なぜだろう。子供が純真で人殺しができないことが倫理的なのだろうか。
エバートは、映画の最初の方はコメディー映画としていい出来だと思っていたので、その後ダークになってきて悲しくなった、と書いている。私に言わせれば、そんな浅い批評をする人が「アメリカで最も有名で、信頼される映画評論家」(ウィキペディアのエバートの項)という事実こそ悲しい。
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