もう1つだけ。映画版「ノルウェイの森」と小説版の大きな違いは、京都郊外の療養所近くの草原の体感温度だ。
小説では、暖かな、のどかな空間であるのに対して、映画版では、強風が吹き荒れたり(そこで手コキしてもらう)、朝露で濡れそぼっていたり(そこを薄ら寒いシャツ一枚で延々歩き回り、普段穏やかな直子がキレる)、沼のようになっていたり、雪が積もっている(そこで咥えてもらう)。何かと寒いのだ。これは、療養所の室内の温かさ、緑とのラブシーンの快適さ(夏の室内でのどこか涼しげなキスシーンはもちろん、雪の中の愛の告白シーンは、柔らかく抱き合う中にどこか暖かさを感じさせるのだ)との対比なのかもしれないが、その厳密な意図は、今のところよく分からない。
2010年12月23日木曜日
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