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2010年2月21日日曜日

CAT

 ベルリン映画祭で寺島しのぶが主演女優賞をとったそうです。でも、この映画、「キャタピラー」は、「太平洋戦争で手足を失った軍人の夫と、介護に追われる妻の物語で、戦争の愚かさを描く。」って日経のHPに書いてあるんだけど、戦争で手足を失った、って、ひょっとして、江戸川乱歩の「芋虫」となにか関係あるんだろうか。だいたい、caterpillarって、芋虫じゃん。あの小説が「戦争の愚かさを描」いたものでないことだけは確かだけど。

私の頭の中のインビクタス

 イーストウッド監督作品インビクタスを観た。いい映画ですね。流れるような話運び。こういう名作を、毎回あっという間に撮るというのだから、イーストウッドはやはり天才。
 実在の英雄ということで、マット・デイモン演じるフランソワ・ピナールの造形がイマイチ薄い(キャラの陰影の、「陰」を描きづらいので)のが玉に瑕か。ま、小さな傷ですが。
 それより気になったのが、劇中登場するオールブラックス(ラグビーニュージーランド代表)の試合前のウォークライ、ハカの踊りです。これが盛り上がるのは、ドラマ構成上はまずいんですよね。主役はスプリングボックス(同南アフリカ代表)なんだから。しかし、その勇ましさにやはり盛り上がってしまい、映画館の客席もしばしざわつく。
 ところがどっこい、さすがイーストウッド、というのは気が早い。
 オールブラックスの試合をテレビで観たことある人は知ってると思うけど、本物はそんなもんじゃない。魂が震えるとはこのことか、という、ものすごい迫力なのだ。(実際に見たらもっとすごいんだろうなあ。)
 私が初めてハカを見たときは、最初に相手(サモアだったかな)がウォークライを敢行。(今思うに)オールブラックスのお株を奪うような勇壮な踊りに、観客は大喜び。ところがそのあと、本家オールブラックスがハカを披露。あからさまに格の違うそのド迫力に、観客の興奮は頂点に!相手選手は試合前から下を向いてしまうし、何なんだこれは、という感じでした。

 そんなわけで、イーストウッド版ハカはある意味中途半端な感じに仕上がってしまいました。まあもしかしたら、観客がそれだけ記憶して帰ってもらっても困る、ということで押さえ気味に撮ったのかも知れませんが。

 私が観た映画館の席の隣は若いカップルで、残念ながら最初から最後までしゃべり通し(予告編上映の際に挟まれる「上映中のマナーを守りましょう」の間もしゃべってるからね)、最後は自分たちが席をポップコーンまみれにしたのに大笑いして、それを拾う真似すらせず去っていきました。
 映画に描かれたアパルトヘイトに怒りを覚え、ネルソンマンデラの神々しいまでの不屈の魂、それに応えて新しい国づくりのために尽くしたスプリングボックスの選手たちに感動しつつ(←何しろずっとしゃべってるもんで、彼らの感情は逐一伝わってくるわけです)、己のマナーは全く省みることもない、人間なんてそんなものか。まさに「インビクタス」(征服されざるもの)といったところ。おあとがよろしいようで。

2010年2月20日土曜日

彼はよく頑張った

 国母選手8位入賞。一回目に大技ダブルコークで転倒したとは言え、恐れることなく二度目も同じ技を繰り出し、残念ながら手がついてしまって35点台ではあったが(ちょっと減点しすぎにも思えるけど)、8位は立派だと思います。予選で大技封印のまま42点台を出していたので、決勝一回目は無難に行く手もあったと思いますが、まあダブルコークは練習では10回中10回成功している、と試合前に言っていたので、その意味では本番ならではの精神状態の問題があったのかも。・・・そう考えるとあの大騒ぎさえなければ、という気がしないでもありませんが、本人が潔く「関係ない」と言ってるので、まあそれ以上言うのは野暮というものでしょう。
 とにかく、国母選手はよく頑張った。世界の8位ですから、決して価値は低くない。ここは素直に褒め称えようではありませんか!!

 優勝は前回同様ショーン・ホワイト。前回トリノでも、決勝1回目で優勝を決める得点を出し、二回目は(みんなが期待する中)とくに大技を繰り出しませんでしたが、今回は更なる大技ダブルマックツイストを出してくれたようです(前回批判でも受けたのでしょうか?確かにあれはがっかりでした)。何度観ても何が起こっているのかようわからん。

漁夫の利狙いの不届き者

 googleが検閲を拒否して中国政府と対立している。中国の市場としての価値を認めつつも、人権問題も等閑視できないのが欧米先進国の人々だ。
 こういうgoogleの戦いで、皆が共同歩調をとれば、中国政府もその意向を尊重し、自国の人権問題に配慮せざるを得なくなる。逆に、ここがチャンスとばかりに中国政府に擦り寄ってgoogleの後釜を狙おうとする卑怯な輩がいれば、中国政府はgoogleの提起した問題など無視できる。その結果googleはドン・キホーテとなる。
 あなたはそういう「卑怯な輩」候補に、誰を思い浮かべますか?

 第一に考えられるのは、人権に、基本的に価値を認めない人々である。(無論ここでいう「人権」とは「他人の人権」である。自分の人権にだけ敏感な人は除かれる。)
 さらに、その者の主要顧客も人権に価値をおかない人々であろう。アメリカなどでは、人権に配慮しない(ことがばれた)企業には、即座に批判、さらに不買運動が巻き起こるのだが、そういうハンディを負わずに、中国で人権侵害を気にせず商売ができると非常に有利である。

 ところで、本日こういうニュースに接した。「人権状況視察のためミャンマーを約1年ぶりに訪問した国連人権理事会のキンタナ特別報告者は19日、現地で記者団に『年内に歴史的な総選挙を実施するにもかかわらず、軍事政権が政治犯の釈放を前向きに考えている様子がなかった』と述べ、軍事政権の対応を強く批判した。」(日経HPより)

 そんなミャンマーで1988年に軍事クーデターが起き軍事政権が成立した際、これをいち早く承認したのは誰か。
 我が日本である。その後も日本は、人権問題・民主勢力弾圧を批判して経済制裁を続けるアメリカ・EUなどを尻目に、経済協力による援助を実施し続けてきた。(ただし、現在、人道的な理由がなく、かつ緊急性がないような援助は停止されている、という。)
 公式見解では、単にバッシングするのではなく、孤立して意固地になるのを防ぎ、国際社会の中に留めおく中で、徐々に人権重視を説得するべきだ(いわば「北風と太陽」の太陽戦略といったころであろう。韓国の金大中政権でも北朝鮮に対する宥和外交を「太陽政策」と言ってました)、からとされている。
 それが本気なのか、それとも単なる金儲けの言い訳なのかはともかく、しかし、この戦略には、大きな失敗例がある。

 1989年の天安門事件後、中国は欧米の経済制裁を受け、経済成長率も大幅に落ち込んだ。その中国との関係をいち早く正常化したのは、やはり日本であった。天皇訪中まで実施して、中国の国際社会復帰に手を貸した。そしてそのようなわが国の行動の理論的根拠は、やはりミャンマーの時と同じ、太陽戦略だったと記憶している。

 そして、あれからはや20年。国際経済の巨人となった(史実から言えば「巨人に復帰した」だが。原田泰『日本はなぜ貧しい人が多いのか』参照。)中国は、89年と全く変わらず、人権など鼻にも引っ掛けない国のままだ。そうして自国に参入する企業に対し、検閲への協力を求める。

 もう言いたいことはお分かりであろう。googleの戦いを無駄なものにする第一候補は、日本企業・日本政府・日本人である。
 以前中国で、突然日本バッシングが起こって、日本資本の店や大使館などが襲われたことがあった。あの時の中国治安機関の無作為ぶりはいただけなかったが、私はそれとは別に一つ気になった点があった。それは、暴動が大きくなって政府・治安機関が暴動の沈静化を図る方向に方針転換して後、同国内のネット上で、日本批判を繰り広げるサイトや掲示板の意見が、当局により次々消されていっていったのだが、それを伝えるわが国報道において、これを言論の自由封殺の問題として捉える意見がほとんど見られなかったことである。(ここで「ほとんど」というのは、慎重を期して言っているだけであって、私の知る限りではゼロであった。)むしろ、事態沈静化に向かっていて、良かった良かった、という意見しかなかった。自国の安全の前には、他人の人権のことなど、頭にも上らない、それが日本人である。自国の、自社の利益のためには?恐らく同じであろう。

 昔宮沢喜一氏が総理大臣だったころ、ビル・クリントン大統領(当時)と会談した際に、「日米両国は価値観を共通にしている」というような発言をして、一部から「本当にそうか?」と疑義を呈されていた。こと人権感覚について言えば、相当な差がありそうだ。
 ただ、中島義道氏によれば、現代の若い世代の人々は、人権感覚に富んでいるという。いつの日か日本も、真に欧米と価値観を共有する日が来るのだろうか。

おまけ:人権なんて下らない、という意見がある。それはそれで立派な意見ですが、そういう人は、憲法とその解釈本をよく読んで、そこに書かれた一切の人権を、まず自分が行使しないということからはじめて下さいね。自分で権利行使しといて、他人には行使させないなんて、首尾一貫しませんからね。
 表現の自由・職業選択の自由・移動の自由・プライバシー権・教育を受ける権利(あ、もう行使しちゃったかな?)・・・。生存権なんてのもありますね。

2010年2月17日水曜日

彼は悪くない!!!

 もうバンクーバーオリンピックが始まっているが、国母選手の服装問題、ネットとスポーツ新聞をえらく賑わせてますね。
 あの服装のどこがいけないんだ?あんなの街中にいっぱい歩いてるじゃないか。公式の場だから、という人がいるようだが、空港とか、単なる移動中でしょう。(街を歩いてるのも移動中だ。)天皇の前で同じ格好できるのかとか書いてる変な人もいたけど、実際天皇の前じゃないし。移動中のEXILEがサングラス掛けてたとしても、天皇の前でも取らないのか、とは言わないでしょう。ルール違反という人もいたが、ルールと言っても、日本選手団公式服装着用規定が「自覚と誇りを持って公式服装を着用しなければならない」というだけだ。自覚=腰履き禁止、と読ませるのは、腰履きしたことのない世代にしか通用しない。
 会見の態度が悪かった、という人もいるが、悪くもないのに無理やり謝らされた人の身にもなってみ。あのくらい不貞腐れて当然だろう。
 代表としての自覚が足りないとかいう人もいるが、彼は国のために出場するわけではないことをはっきり述べている。自分の価値観を人に押し付けるな。
 同じ日本人として恥ずかしいとかいう人は、まず己が恥ずかしくない人間か、よく胸に手を当てて考えてみろ。(自分は恥ずかしくない人間だ、という人は、自国のオリンピック選手がどんな格好していようが、自分は恥ずかしくなどないはずだ。自分に自信がないから、変わりに他人に立派になってもらって、それで自分のプライドを満足させようとするのだ。)大体彼はスノボーがうまいからオリンピックに出てるんだよ。服を着崩さないから、国の威信を高めるのがうまいから出てるわけじゃない。出る資格がないとか言うやつは、彼以上の成績収めてから言え。
 それから、国の金で行ってるんだから、国のためにやっているつもりはないでは済まされない、という者もいるが、彼に税金が使われていることは、彼に対する一方的な恩恵ではない。日本の選手が好成績を収めたら、それでプライドを(なぜか)満足させて幸せになったりするあほな国民がいて、それが国家にとって都合がいい(不満から目をそらせるため、とかね)から金を出しているのだ(まあ他にも、子供に夢を与えるとか、いろいろあるのかも知れないけど)。要は完全にgive&takeであり、感謝しろという筋合いのものではない。
 それを、マナー違反だの、強制帰国させろだのと、何を息巻いてるんだ?「スポーツウエアを乱れなく着ていたが、トレードマークのドレッドヘアとひげはそのまま」(「謝罪」会見を伝える産経の記事)などと、ドレッドヘアと髭までやめろといわんばかりの報道(?)まであった。アホか。逆に、「主義主張に基づいての服装なら、謝ったりせずそれを貫け」、などという人もいた。そんなことしたら、集団ヒステリーの火に油を注ぐようなもんでしょう。それこそ阿呆な目立ちたがり屋に刺されたりしかねない。
 だいたい、国母選手はスノーボーダーだ。アーティストなのだ。しかも典型的なXスポーツだし。オルタナティブなんだよ。スラッシュメタルガンガンかけて、大技決めて観客がヒューヒューいうスポーツなんだよ。ショーン・ホワイトの記者会見のカッコ見ろよ。体育会系の論理であーだこーだ言うのはおかしいでしょ。一昔前のマラソンランナーみたいな修行僧もどきになれとでも言うのかよ。もっと言えば、あのくらいで大騒ぎしてたら、スノボーウェア自体まずいだろう。だいたい、日本選手用公式ウェアって、あの変なジャケットとパンツの組み合わせはなんだ。女子は紫とか赤とかのスカーフなんかもついてて決まってるが、成人男子は、上が淡色で下が濃色の組み合わせはきつい。子供っぽくなる。(高校生ならかわいいが。)一体あれはどこ製なんだ。サッカー日本代表を引き合いに出す人もいたが、確かにサッカー日本代表で移動の際にスーツを着崩しているやつはいないものの、彼らが支給されてるスーツは、(大会によって変わるが)ダンヒルとかヒューゴ・ボスとか(あとゼニアだったかな)だかんね。カッコいいのさ。はるやま(北京の時の公式ウェア支給元)とかと一緒にすんなよ。
 スノボーは次第に衰退しつつあるウィンタースポーツの中で、唯一と言ってもいいほどの人気を保っている。それが気に入らないらしく、スピードスケート(「ミズスマシのようで面白くない」あれです)あたりから、すなわち銀を取った長島や、オリンピックの時だけ人気が出る岡崎から、ここぞとばかりに非難の声が上がっている。みっともない。岡崎など「あっち(スノーボード)の世界はどうか分からないけれど、代表チームのトップの人たちが身だしなみについて指導した方が良い。」などと、露骨に「あっち」の人呼ばわりしている(我々正統派とは異なる、と言いたいのだろう)。
 なお、川端文部科学大臣が、「極めて遺憾だ。国を代表して参加する自覚が著しく欠けていた」「反省している態度ではなかった」と言ったそうで、これが一番腹が立つ。鳩山・小沢に言え!!彼らにぴったりの言葉ではないか!ちなみにお前のところの党首と幹事長だ!!

 まあつい熱くなってしまいましたが、国母選手は、直前の大会でアメリカの選手に混じって(ここが重要。前回トリノでは、日本HP陣は前評判はよかったものの、未知の存在だったアメリカ選手に、蓋を明けて見れば格の違いを見せ付けられてしまった。しかし今回はそうではないのだ)好成績を挙げており、本来活躍が期待できる選手だった。今回こうやって寄ってたかってバッシングして、精神統一ができないようにしてしまったから、いい成績を残すのは大変困難になってしまった。それこそ投下資本が無駄になる可能性が高まってしまったのだ。なんというアホ。
 とは言え、彼も一流のアスリート/アーティストである。並みの精神力ではないはずだ。ぜひこの件を気にせず頑張って、活躍して欲しい。スノボーは、技が決まると本当にカッコいいからね。国母選手はものすごい大技をもっているらしいし。

 国母選手、頑張れ!!

 ちなみに、彼はドレッド・髭スタイルで、今はちょっとお気楽アンちゃん風に見えるが、実は髭を剃って髪をストレートに戻すと、石川遼風イケメンだ。敢えてのドレッドスタイルであることも知っておこう。

 

2010年2月15日月曜日

50歳の恋愛白書 reminded me of the phrase ”the last~"

 先日「50歳の恋愛白書」を観た。言いたいことはいろいろあるが、3つだけ。
・いい映画です。脚本・演技・演出とも良いが、衣装やプロダクションも含むヴィジュアルも素晴らしいですね。特に衣装は、どれもこれも美しい(ジュリアン・ムーア除く)。
・テイストとしては、ポール・トーマス・アンダーソン監督の映画っぽいような感じでしょうか。
・もちろん配給会社はいろいろ考えて付けたんでしょうが、この邦題は、どうよ。この題名で「おっ」て思って見に行く人って、いるのかな?あくまで個人的感想ですが、The Japanese title of this movie is the last one that encourages me to see it. (合ってるかな?)
 ちなみに原題は、「The Private Lives of Pippa Lee」。ピッパ・リーの私生活、というか、裏事情、かな。Pippa Leeは主人公の名前です。「ピッパ・リーの裏事情」、これでは客は入らないのだろうか?「ピッパ・リーの裏・事・情」とか「ピッパ・リーのウ・ラ・事情」とかならどうだ!俺はこっちの方が観たいぞ。・・・まいいか。それにしても、なぜLivesと複数形になっているんだろう。裏の顔がいくつもあるからかな?

 ともかく、シネコンで観客3人は自己新記録タイ。1人というのは、意外にないんですね。
 でもほんとにいい映画なんですよ。登場人物の心情に共感できないところもあったけれど、それも含めていい映画だと思います。終わる前に観て欲しい。

(続く)

2010年2月11日木曜日

民主党政権と私

民主党政権は、斎藤次郎元大蔵事務次官を郵政のトップに据えた時点で、私の中では終わった。嘘つきは嫌い。
以上

追加
ちなみに、安倍政権は、郵政民営化反対組を自民党に復党させた時点で、私の中では終わった。嘘つきは嫌い。

少林少女と山崎真実

 映画「少林少女」は駄作であると言われている。それは否定できない。ラストがカタルシスを得られない、というのは、まあ好みの問題でしょうが、全体的にストーリー展開に筋が通っていない。脚本家の脚本自体の問題なのか、監督またはプロデューサーの問題なのかはわからないが、とにかく「なんで?」「なんで?」「なんでやねん?」の世界。熱演している俳優陣がかわいそう。
 監督・プロデューサーは「踊る大捜査線」をヒットさせたコンビで、その映画版がクオリティーの割りに大ヒットしたのもよくなかった。どこかにモヤモヤを抱えていた映画ファンが、文句なしにレベルの低い「少林少女」に、ここぞとばかり罵詈雑言を浴びせたのだ。特に「踊る大捜査線 THE MOVIE 2」は、映画としての質に問題があったというだけでなく、なんというか、映画を馬鹿にした感じがあった。冒頭のいかにも映画的なカット割を直後にずっこけさせる編集、弱者(女性・失業者)に対する容赦のないバッシング(井筒監督はテレビで「リストラされた人を勇気付けるのが映画じゃないのか!」と激怒していた)、強者・組織への温かい視線(例えばこの映画では、いわゆる「官製談合」が、微笑ましく描かれている!)。そして日本映画歴代興行収入1位(実写)・・・。
 いや、「少林少女」の話であった。
 しかし、映画というものは、ストーリー展開だけではない。漫画だってストーリーだけじゃないでしょう?
 そこで山崎真実である。これはwikipediaはじめいろいろなところで書かれている話であるが、この映画の一番の魅力は、柴崎コウが最初にラクロス部に行くシーンだ。グラビアアイドルの山崎真実ちゃんがラクロス部の主将役で出ているのだが、体にピッタリしたaddidasの変な緑色(映画館で観た時はブルーに見えたんだけど、記憶違いかな・・・)のポロシャツ風トレーニングウェアを着た彼女、その胸のポッチが、もろに!
 わざとじゃないと思うんですよね。ブラもしてるし。撮影の時寒かったのかな?ストラップレスブラ(に見えます)は危険なのか?(あれはなんか縦方向の緊張感に欠ける気がする・・・)
 この映画はブルーレイでも出ているが、主要ターゲットは真実ちゃんのファンかも知れない。私の持っているのはDVDですが、DVDのキャスト紹介には、主要キャストではないということらしく、山崎真実ちゃんは出ていない。わかってないなー。この映画は映画秘宝の最低映画にも選ばれているが、これまたわかっていないなー。映画は総合芸術です。何かいいところがあればいいのだ!

「何に対してであれ反対する書物は、いかなるものも重要ではない。何か新しいものに「賛成」する書物だけが大切である。」(ドゥルーズ)

 「新しい」かどうかはわからないですが。

 山崎真実ちゃんはすごく可愛いし、よく雑誌の表紙も飾っていますが、なぜかもう一つブレイクしないですね。グラビアアイドルがステップアップするには、テレビのバラエティー番組で受けるトークができることが必要なようです。昔ナインティーナインの番組に出てましたが、まじめな感じでしたからね。「少林少女」でも、背の小さい柴崎コウが平靴で立っている隣に写ると、スラっとしてすごくきれいなんですがねー。ミスマガジン出身なので、シャベリの方はあまり問われず、写真映りの良さ(実物がたいしたことないという意味ではない)でデビューしたんでしょうね。読者特別賞か。読者投票で選ばれたんですね。
 それから、女優として生きていくとなると、演技力が問われる。「少林少女」でも、彼女のセリフはアテレコのようだ(こういうのって外れていることも多いですが)。
 ここまで書けばわかると思いますが、私は結構ファンです。「少林少女」を映画館で観た時は、彼女が出ているとは知らなかったので驚きました。あまり出番がなくて残念に思ったように記憶しております。ただ、例えば柴崎や江口洋介や岡村隆史を写す時はかなり高い確率で彼女がフレーム内に来るように撮っているから、サブキャラとしては優遇されている方でしょう(どうでもいいが、この気遣いをなぜストーリー展開に生かせないかなあ)。
今後とも、もう一段のブレイク目指して頑張って欲しいと思います。