柳澤伯夫講演「これからの年金・福祉・医療の展望について」より
「今の女性が子供を一生の間に沢山・・・、あのー・・・、大体・・・この人口統計学ではですね、女性は15歳~50歳までが、まあ出産をして下さる年齢なんですが・・・15歳~50歳の人の数を勘定すると、もう大体分かるわけですね。それ以外産まれようがない。急激に・・・、男が産むことはできないわけですから・・・、特に今度我々が考えている2030年ということになりますと、その、30年に、例えば、まあ20歳になる人を考えるとですね、今幾つ・・・もう7、8歳になってなきゃいけないということなんです。生まれちゃってるんですよ、もう、30年のときに20歳で頑張って産むぞってやってくれる人は。そういうことで・・・、あとはじゃあ、産む機械っちゃあなんだけど、装置が、もう数が決まっちゃったと・・・、機械の数・・・、装置の数っちゃあなんだかもしれないけれども、そういう、決まっちゃったということになると、後は一つの・・・、ま・・・装置って言ってごめんなさいね。別に・・・、この産む役目の人が一人頭で頑張ってもらうしかないんですよね」
これを見ればわかるとおり、カギ括弧は引用を表すのだから、
「女性は産む機械」
という表記自体が嘘である。柳澤氏はそんな発言はしていないのだ。しかし、ネットで検索してみて欲しい。柳澤発言について書いた文章は多いが、「女性は産む機械」と、いかにも柳澤氏がこういう発言をしたかのようにカギ括弧を付けた表記が大部分である。
その筆者全員が、今も刻一刻と恥を晒している。マスコミを鵜呑みにした恥、柳澤氏の経歴から、どうせ女性蔑視的だろうとステレオタイプなものの見方をした恥、世間の声に流された恥・・・。
少し気が利いている人は、柳澤発言に出てくる「機械」とか「装置」とかが、子を産む女性自体が少なくなるから当然新生児数も減る、ということを言うために使った比喩に過ぎないことに気づいていた。その人たちは、さすがに柳澤発言を無理やり「女何ぞ機械みたいなもんで人格など認める必要なし」という発言と読み替えるにはプライドが高すぎた。
その筆者全員が、今も刻一刻と恥を晒している。マスコミを鵜呑みにした恥、柳澤氏の経歴から、どうせ女性蔑視的だろうとステレオタイプなものの見方をした恥、世間の声に流された恥・・・。
少し気が利いている人は、柳澤発言に出てくる「機械」とか「装置」とかが、子を産む女性自体が少なくなるから当然新生児数も減る、ということを言うために使った比喩に過ぎないことに気づいていた。その人たちは、さすがに柳澤発言を無理やり「女何ぞ機械みたいなもんで人格など認める必要なし」という発言と読み替えるにはプライドが高すぎた。
しかし、そういう人も、無理に柳澤氏を批判して辞任を要求する世論に実質同調した。曰く、女性の人格を認めていないから、機械とか装置とかいう比喩をつい無意識に使ってしまうのだ、曰く、機械云々はともかく、「女性が頑張るしかない」の部分は、少子化問題を女性の努力・我慢不足に矮小化するものだ
・・・。
前者は、比喩が常に無意識を反映するという理論(俗流フロイト流精神分析?)自体に科学的な根拠がない以上、根拠のない批判である。後者は一見もっともであるが、単なる揚げ足取りにすぎない。柳澤の言う「頑張る」は、生殖可能者1個体当たりが(「一人頭」が)出産数を増やす、という意味だからである。それが、生殖可能者の個体数が少ないという状況下で新生児数を増やす唯一の方法だ、というのが発言の趣旨である。ついでに言えば、これを、きわめて単純な算数の問題ですよ、と強調するため、無機的なイメージで表現すべく、故意に「機械」という比喩を使ったわけである。
その他、ともかく人々の気分を害したのになかなか謝らなかった、とか、なかなか発言を訂正しなかったいう点を批判した人もいたが、上記引用を見て欲しい。「なかなか」どころか、「機械」、「装置」と言った直後に「ごめんなさいね」と謝って、かつ「産む役目の人」と言い換えている。(続く)
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