男女それぞれの性に関する事柄に非対称的な言語表現を用いるのは、基本的に性差別的表現と言える。男と女の間に何らかの違いの存在することを暗に主張しているからである。特に、男性を姓で、女性を名前で呼ぶのは、男性が一族の代表であり、女性はその庇護・支配の下にある一メンバーに過ぎないという思想の現れであって、明らかに女性差別である。
NHKEテレに「ニュースで英会話」という番組がある。毎週NHKの英語放送で流されたニュースを1つ取り上げ、そこに出てくる英語を利用して英会話を学ぶという番組なのだが、今週のニュースはペルー大統領選についてであった。
ひどく気になったのが、番組のパーソナリティー4名のうち3名(英語解説のメイン(女性[←但し2回に1回は男性])・進行役のアシスタント(女性)・ニュースの背景を説明する解説員(男性)。ちなみにもう一人は発音要員のアメリカ人(男性))が、大統領選に敗れた方の候補者ケイコ・フジモリ氏(元ペルー大統領アルベルト・フジモリ氏の娘)を「ケイコ氏」・「ケイコさん」とファーストネームのみで連呼していたこと。ちなみに今回のタイトルは、「ペルー大統領選 ケイコ氏惜敗」
NHKでこんなアンチPCな言葉遣いしていいの?
「ケイコさん呼ばわりしたのは決して差別でなく、パパ・フジモリと区別するためだ」という反論があるかもしれないが、それならパパの方も「アルベルトさん」と呼ぶべきではないか。大統領選候補者でペルーの野党党首なのが娘、元大統領で今は獄中にいるのがパパである。まともに文脈を読める人なら「フジモリ」だけでどっちのことを言っているかわかるはずである。その証拠に、教材となった英語版ニュースの方では、キャスターは、1回フルネームで「ケイコ・フジモリ」と呼んだ後は、「フジモリ」か「she」としか言っていない。日本語を話す人は英語を話す人よりバカだとでも言うのか?
特に、全編を通して娘の方を「ケイコさん」呼ばわりしていたのが、60歳前後の解説委員の男性。こいつは、娘のプロフィール紹介の際には「あのフジモリ元大統領のお嬢さん」と紹介していた。これがいかにおかしいかは、「お嬢さん」と言う語の男性版が「お坊ちゃん」であることを想起すればすぐわかるだろう。「ジョージ・W・ブッシュ前大統領は、ブッシュ元大統領のお坊ちゃんです」とテレビで言う人がいるだろうか?のみならず、「お嬢さん」は「娘さん」に比べ、明らかに「世間知らず」「半人前」というニュアンスがある。社会的に期待される行動を取れない若い女性を「お嬢さんだからしょうがない」などと言う、あれである。
もう一人、ずっと「ケイコさん」と言っていたのがアシスタントの若い女性。セミロングの髪をふんわり流して、透け素材の袖の小さなドット柄(白地に黒)のブラウスを着て高い声で解説員に「なぜ○○なんですか」と教えを乞い、真剣な顔でフンフンとうなずきながら爺さんの愚にもつかない解説を微笑みつつ聞き、最後に「なるほど」で引き取るこの女。こういうのを「女性の敵」というのではないだろうか。
そもそも、私はこの、進行担当のアシスタントが女性で、その人にありがたい教えを垂れるのが年配の男性(安藤優子と木村太郎も全く同じ関係)、そして語学の先生が女性というこの番組の人員構成自体、いかにもステレオタイプな性差別意識の表れと以前から思っていた。そういう意味では、上記のような今週の放送の問題点は、やっぱりなという感じである。
女性地位向上団体みたいのがクレームつけたりしないのだろうか。(フェミニズムももう終わったとか言われたりもしているから、そういう元気な団体もなくなってしまったのだろうか。)
NHKEテレに「ニュースで英会話」という番組がある。毎週NHKの英語放送で流されたニュースを1つ取り上げ、そこに出てくる英語を利用して英会話を学ぶという番組なのだが、今週のニュースはペルー大統領選についてであった。
ひどく気になったのが、番組のパーソナリティー4名のうち3名(英語解説のメイン(女性[←但し2回に1回は男性])・進行役のアシスタント(女性)・ニュースの背景を説明する解説員(男性)。ちなみにもう一人は発音要員のアメリカ人(男性))が、大統領選に敗れた方の候補者ケイコ・フジモリ氏(元ペルー大統領アルベルト・フジモリ氏の娘)を「ケイコ氏」・「ケイコさん」とファーストネームのみで連呼していたこと。ちなみに今回のタイトルは、「ペルー大統領選 ケイコ氏惜敗」
NHKでこんなアンチPCな言葉遣いしていいの?
「ケイコさん呼ばわりしたのは決して差別でなく、パパ・フジモリと区別するためだ」という反論があるかもしれないが、それならパパの方も「アルベルトさん」と呼ぶべきではないか。大統領選候補者でペルーの野党党首なのが娘、元大統領で今は獄中にいるのがパパである。まともに文脈を読める人なら「フジモリ」だけでどっちのことを言っているかわかるはずである。その証拠に、教材となった英語版ニュースの方では、キャスターは、1回フルネームで「ケイコ・フジモリ」と呼んだ後は、「フジモリ」か「she」としか言っていない。日本語を話す人は英語を話す人よりバカだとでも言うのか?
特に、全編を通して娘の方を「ケイコさん」呼ばわりしていたのが、60歳前後の解説委員の男性。こいつは、娘のプロフィール紹介の際には「あのフジモリ元大統領のお嬢さん」と紹介していた。これがいかにおかしいかは、「お嬢さん」と言う語の男性版が「お坊ちゃん」であることを想起すればすぐわかるだろう。「ジョージ・W・ブッシュ前大統領は、ブッシュ元大統領のお坊ちゃんです」とテレビで言う人がいるだろうか?のみならず、「お嬢さん」は「娘さん」に比べ、明らかに「世間知らず」「半人前」というニュアンスがある。社会的に期待される行動を取れない若い女性を「お嬢さんだからしょうがない」などと言う、あれである。
もう一人、ずっと「ケイコさん」と言っていたのがアシスタントの若い女性。セミロングの髪をふんわり流して、透け素材の袖の小さなドット柄(白地に黒)のブラウスを着て高い声で解説員に「なぜ○○なんですか」と教えを乞い、真剣な顔でフンフンとうなずきながら爺さんの愚にもつかない解説を微笑みつつ聞き、最後に「なるほど」で引き取るこの女。こういうのを「女性の敵」というのではないだろうか。
そもそも、私はこの、進行担当のアシスタントが女性で、その人にありがたい教えを垂れるのが年配の男性(安藤優子と木村太郎も全く同じ関係)、そして語学の先生が女性というこの番組の人員構成自体、いかにもステレオタイプな性差別意識の表れと以前から思っていた。そういう意味では、上記のような今週の放送の問題点は、やっぱりなという感じである。
女性地位向上団体みたいのがクレームつけたりしないのだろうか。(フェミニズムももう終わったとか言われたりもしているから、そういう元気な団体もなくなってしまったのだろうか。)